髪は爪と同じように、肌の角質層が変化してできたものです。
肌と違い(毛母細胞以外は)既に
死んでいる細胞なので痛みなどの感覚はありません。その為にカラーリング等で髪に負担をかけてしまいがちですが、髪には自己修復機能がないので一度傷めると自然には戻りません。
毛乳頭と毛母細胞
髪の頭皮より下の部分を毛根と呼びます。
この毛根の深部に毛球というふくらんだ部分があります。毛球は、
毛乳頭と
毛母細胞から構成されています。
毛乳頭は、毛細血管から栄養素を取り入れて、毛髪の元となる
毛母細胞へ供給します。
栄養素を吸収した
毛母細胞は、分裂して頭皮へ向かっておし上げられていきます。
押し上げられた
毛母細胞は、
ケラチンというタンパクを蓄えながら死んでいきます。
この死んだ細胞の集まりが、
毛髪と呼ばれるものです。
(画像;
花王HPより)
ヘアサイクル(毛周期)
髪は一定のサイクルで生まれ変わっています。このサイクルを
ヘアサイクル(
毛周期)と呼びます。
ヘアサイクルは、『成長期』→『退行期』→『休止期』 の段階を経ます。
このサイクルは、個人差がありますが、女性は約
4年〜6年で繰り返されています。
成長期
毛母細胞の分裂が活発で、髪がどんどん成長する時期です。
退行期
成長が弱まる期間。約2〜3週間。
正常な場合、髪はこの時期から自然と抜け落ちます。
休止期
成長が完全に休止する時期。約2〜3ヶ月。
日本人の頭髪は平均
10万本。 ヘアサイクルを考えれば、健康な髪でも
一日に50〜100本の抜け毛は当たり前のことです。
他方、
薄毛・脱毛症の大部分は何らかの原因でこの
サイクルが短くなり、髪が
成長期の途中で抜け落ちてしまうものです。
お悩み解決:医療ローン・女性キャッシング
髪の構造
髪の毛は3つの層から構成されています。
一番外側をキューティクル、中間部をコルテックス、中心部をメデュラといいます。
キューティクル(毛表皮)
キューティクルとは髪の表皮を構成する組織で、魚のウロコのように重なっています。
髪の表面にあり、髪の
水分を保持し、髪に艶や手触りを良くするという役目があります。
女性の育毛には
美しさも重要ですから大切な組織です。
すでに死んでしまっている細胞なので、一度壊れた
キューティクルは再生できません。
コルテックス(毛皮質)
コルテックスは毛髪の80〜90%を占めており、細い繊維状の細胞からできています。その状態によって毛髪の太さ、強さが決まります。
また
メラニン色素が含まれており、髪の色を決定します。
メデュラ(毛隋質)
髪の中心にあるメデュラは、外的な刺激で
空洞ができやすいのが特徴。
まだメデュラの役割はよく分かっていませんが、髪の弾力や強さと関係していると考えられています。
(画像;
花王HPより)
髪の成分
髪の成分は、皮膚や爪と同じ
ケラチンというタンパク質で構成されています。
ケラチンを構成するメチオニンは
体内で合成されない必須アミノ酸なので、毎日の食事から摂取しなければなりません。
メチオニンの不足により薄毛や白髪、ホルモンバランスの異常といった症状が起こります。無理なダイエットで脱毛しやすいのもこのタンパク質が不足する事が原因です。
そして、構成成分ではないですが、髪にとって重要なのが
皮脂です。
皮脂膜は、頭皮や髪の毛の水分の蒸発を抑え、うるおいを保ちます。
また、有害な細菌の繁殖や侵入を防ぎ、紫外線などから髪や地肌を守る効果も持っています。
適度な皮脂は髪や地肌にとってなくてはならないものなのです。
この
皮脂を取り過ぎてしまうと、皮脂腺は皮脂を補おうとして
肥大します。
肥大した皮脂腺からは過剰な皮脂が分泌されるようになり、抜け毛の増加や育毛環境の悪化をまねきます。
いったん洗い流された頭皮の
皮脂膜は、元通りの状態に戻るまでに約
4時間かかって再生されます。
朝シャンは、皮脂膜のバリアなしで髪にとって厳しい環境へと外出することになりますね。
髪の毛と水分の関係
健康な髪の水分量は11〜13%といわれています。
髪の毛はスポンジ状になっていて、毛が濡れるとその水分がその中に入り込むのですが、
傷んでいる毛はスポンジ状の穴が増えているため、水分や湿気が入りやすくなってます。そのため、湿度の高い日はべっとりして、乾燥した日はパサパサになるのです。